
コーヒーブレイクしておしゃべりしていたら 電車の中でのベビーカーを押している若いお母さん達に 非難が集中した 「混んでいる電車にベビーカーで入ってくる」 「3台も4台も並んでバギーを押して歩くお母さんたちがいる」 「図々しい」 「せめて、すいませんくらい言えばいいのに」 「この忙しい時間帯にいったいどこに行くのって思う」 「うちらの頃はバギーは片付けてだったのに堂々としてる」 などなど うんうん、と聞いていたけど なごやかな世間話だ でも、 やっぱり ここでそうだねとは言えなかった 「あの、 言いにくいけど、みんなとは考えが違う」 一瞬しらけた。 あのさ 忘れてない? あの大変だった子育ての頃の事 私は覚えている 両親が病んで 2歳の双子と長男を連れて地下鉄で遠くまでお見舞いに通ってた 寝てしまいふにゃふにゃの双子を抱っこして 銀座駅で乗り換えた あまりの重さによろよろと 立ちすくんでいると 乗り換えの人たち200人くらいの人に見られていた ぎょっとされていた 遠くにいる両親の元には私しか行く人がいなかったから 何がなんでも行かないといけなかった まだエレベーターもあまりなかったし ましてや双子のバギーなんてアンドレ・ザ・ジャイアントか 白鵬くらいしか持ち上げられないだろう 寝たら抱っこするしかなかった しかも二人だった 長男に荷物を持ってもらってた 行くしかなかった だから せめてすいませんと言えばいいのに、なんて 思わない 堂々と図々しくバギーでどんどん入っちゃって!って思う わがままを許してあげよう もしそれをわがままと言うなら 階段を登るんだったら 手を貸そう そして あやまったり ぺこぺこなんてしなくてもいいよって思う あの頃大変だった そして、 それを覚えているから |