まりりん日記

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...... 2013年09月21日 の日記 ......
■ その日の松島センチュリーホテル   [ NO. 2013092102-1 ]

松島は無事だと聞いた

 

3年前通りがかりにお茶を飲みに立ち寄った私達に

 

親切にホテルを案内してくれた総支配人

 

写真が趣味で

 

四季折々の美しい松島の写真を見せてくれた

 

今回、

 

食堂でその総支配人に会ったとき

 

写真はもうあまり撮っていないと言っていた

 

あの3・11の時

 

ひどい情報があきらかになって、その中では

 

松島はたいしたことないと言った

 

NHKにその総支配人が出演しているのを見かけて

 

良かったと単純に思っていたのだった

 

この写真を見るまでは

 

 

食堂は破壊されつくされ

 

ヘドロがすべてのものを覆っていた

 

 

従業員の方は大丈夫だったのかを問うと

 

お休みだった従業員が夫婦で波にさらわれたと悲しそうに教えてくれた

 

あまりにも他のところの被害が大きすぎたので

 

むしろ良かった良かったと言いすぎていた気がしてきた

 

きれいだったホテルは

 

こんな状態だったのだ

 

 

初めてその3・11が心に迫ってきた

 

他人事じゃない大きなものが心におそいかかってきたようだった

 

写真を見ていたら

 

泣けてきた

 

彼は従業員の運命に心を痛め

 

その手でヘドロをかきだし

 

元のきれいなホテルに戻したのだった

 

 

通りがかりのお茶だけを飲みに来た人に気軽に声をかけ

 

写真を見せてくれて

 

プリントしてパウチまでしてくれて桜と雪に覆われた松島の写真をくれた

 

アイスクリームをご馳走してくれて

 

もし時間があったらお風呂に入っていきませんか?と言ってくれた

 

気さくなあの時の明るい瞳は少し光を失っているように見えた

 

単純に良かったですねと言ってしまった

 

遠くにいて

 

遠くにいる人の考えだった

 

哀しみはその時から始まっていたんだ

 

そんなには割り切って生きてはいけないだろう、当たり前だ

 

がんばれがんばれはもう聞きあきただろう

 

復興、前進、前向き、

 

もうそんな言葉はほとほと聞き飽きただろう

 

その哀しみが初めて理解できた気がした

 

この写真を見て

 

 

画像:センチュリーホテル総支配人撮影

 

 


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