引っ越したとき元気いっぱいの可愛い女の子が 「私、かおり、かほりと書いてかおりと読むの、よろしく」と走ってきて言った それがかおりちゃんだった そのかおりちゃんはいまや社会人となり カメラマンとなって、とテキパキと 仕事をこなす人になってしまった ピンクリボンの作品を作るらしい 老若女女がお台場の石畳の道で手をつなぐ 歩道橋の上にかおりちゃんが立ち撮影する 道行く人たちは 「むむ・・・?これはまたあら手の新興宗教か?」 とか 「UFO待っているのかな?」などとつぶやいて行く 時々みんなでジョークで 「ほらあそこにやっと来た!」などと空を指差したりなんかして 無事撮影が終わり なんだか不思議な達成感をおぼえてしまった 自分の子どもだけじゃなくて 小さい頃を知っている子ががんばっている図って なんだかそれだけで少し幸せな気持ちになってしまった 泣くのをどうにかこらえている東京の空 |